研究概要 |
本年度は,中学生,高校生,エリート選手を対象としてけのびの到達距離および力積と姿勢などの感覚評価(主観的感覚強度:5段階評価アンケート)の対応の検討を行った,双対尺度法を用いて定量化された力発揮データとアンケート調査結果との関係性が熟練度によってどのように変容するかを4つの局面ごとに検討した.結果は以下のようであった. 1)中学・高校生段階のけのび動作では身体の一部の認識は容易であるが,体幹などの身体全体の認識は難しいことが示唆された. 2)大学生の準備期および接地期では身体のある限られた部分のみに集中し,体幹部分はそれほど認識していないように思われた. 3)大学生では,けのびの到達距離に影響を及ぼすと思われる主要局面の限られた身体の一部分に認識が集中することが伺われた. 4)熟練度が増すに従ってけのびの準備局面や主要局面の動作認識と力発揮との関係が深くなることが示唆された. 以上のことから,動作認識と力発揮の双方の要因がけのびのパフォーマンスに大きな影響を与えると思われ,スポーツ場面における感覚情報の数量化を実際の動作と合わせて適用する必要性が確認された.
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