当該年度は、バスケットボールショットのあらゆる軌道を計算できるシミュレータを完成させた。このシミュレータは、バスケットボールのショット選択、ショットパーセンテージの向上、リバウンドのための位置取りなどバスケットボールの多岐にわたる戦略に役立てることができる。 昨年度までに測定したバスケットボールとリング、バスケットボールとバックボードの摩擦係数、バスケットボールの空気抵抗係数、バスケットボールの剛性と粘性減衰係数を測定してきた。これらを動力学方程式にあてはめ、数値シミュレーションを行うプログラムに組み入れた。このバスケットボールのショットシミュレータは、ボールに剛性と粘性をもたせ、さらにボールの接触点における摩擦力の計算を含めているため、ショットからのボールのローリング現象、バスケットボールがリングとバックボードの間に挟まる現象などのとても珍しいが興味深い現象も計算が可能である。なお、プログラム言語はCコードを用いており、いくつかのフリープログラムを利用し、バスケットボールの軌道計算したものをアニメーション化することも可能になっている。 完成したショットシミュレータで計算した軌道と実際のバウンドテスト(バスケットボールをリングおよびバックボードにバウンドさせる)から得た軌道を比較することにより、計算結果が妥当であることを確認している。現在まで、このバスケットボールショットシミュレータを用いて、フリースローのリバウンドの戦略に役立てるシミュレーションを行った。
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