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2010 年度 実績報告書

ブランデージ時代のオリンピック・ムーブメントの変容に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 21500612
研究機関中京大学

研究代表者

來田 享子  中京大学, 体育学部, 教授 (40350946)

研究分担者 田原 淳子  国士舘大学, 体育学部, 教授 (70207207)
キーワードスポーツ史 / オリンピッグ / 人権 / 女性 / 人種 / 環境問題 / ブランデージ
研究概要

【実施した研究の内容】本研究は、ブランデージ時代のオリンピック・ムーブメントの変容を「多様性に向けた変容」であると位置づけ、A.人種差別問題、B.女性の参画、C.自然環境保護問題、という3つの観点から明らかにすることを目的としている。平成22年度は(1)IOC文書史料館において昨年度収集したIOC総会およびIOC理事会議事録を中心とする分析、(2)IOC文書史料館における公刊されないレベルの史料の調査・収集の継続(昨年度からの継続)を行った。
【研究の結果】上記(1)によって、3つの観点に関するIOC総会およびIOC理事会における審議の実態を明らかにすることができた。上記(2)の分析結果によって、観点Bに関連して1970年前後に行われた性別確認検査導入の是非を問う議論の詳細と導入に至る経緯が新たに明らかになった。この議論と検査導入経緯の背景には、国際的政治情勢等へのオリンピックの社会的影響力(ないし政治によるスポーツの利用)が増したと同時に、スポーツと医学の親和性の強化があったことが示唆された。検査の導入によって、当時の医学界でさえ種々の議論があった「性別」の境界をスポーツ界が独自に設定し、ルール化を図るという状況が生み出されたが、これを可能にしたスポーツ界の論理は、競技の公平・公正であったが、検査の導入や具体的方法を決定する際の判断には、ブランデージをはじめとするIOC委員の強固なジェンダー観が介在していたことが明らかになった。
【研究成果の意義と重要性】今年度の研究により、3つの観点について、IOCにおける議論の状況を俯瞰する基礎資料を作成することができた。性別確認検査に関しては、国際的な競技界におけるドーピング検査と同時期の導入でありながら、歴史研究においてはほとんど着目されてこなかった。公刊・非公刊双方の史料を用いてこれを明らかにした点が重要である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 欧州評議会におけるスポーツと性にかかわる差別に関する近年の審議2010

    • 著者名/発表者名
      來田享子
    • 雑誌名

      中京大学体育学論叢

      巻: 50 ページ: 1-19

  • [雑誌論文] スポーツと「性別」の境界-オリンピックにおける性カテゴリーの扱い-2010

    • 著者名/発表者名
      來田享子
    • 雑誌名

      スポーツ社会学研究

      巻: 18巻 ページ: 23-28

    • 査読あり
  • [学会発表] 1960年代後半のIOCにおける性別確認検査導入の議論-IOC理事会・総会議事録および関連文書の検討を中心に-2010

    • 著者名/発表者名
      來田享子
    • 学会等名
      スポーツ史学会第24回大会
    • 発表場所
      大和郡山市商工会館(奈良県)
    • 年月日
      2010-11-28
  • [図書] スポーツ・ジェンダー:データブック2010(第1章「年表でみるスポーツ・女性・ジェンダー(1900-2009)」)2010

    • 著者名/発表者名
      日本スポーツとジェンダー学会
    • 総ページ数
      77
    • 出版者
      日本スポーツとジェンダー学会

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公開日: 2012-07-19  

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