研究課題/領域番号 |
21500614
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
藤田 紀昭 同志社大学, スポーツ健康科学部, 教授 (40199344)
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キーワード | 障害者 / スポーツ指導 / 日本体育協会 / 指導者 |
研究概要 |
本研究の目的は次の2つである。今年度はこのうち(2)の目的に関して研究を進めた。 (1)総合型地域スポーツクラブにおける特別な支援を必要とする人(軽度発達障害児・障害者等)の統合のあり方および障害者を含む統合的クラブマネジメントの方法を明らかにし、地域での障害者スポーツの振興の一助とすること。 (2)地域スポーツ指導者が障害者を指導する際に必要な具体的な技術、知識、経験内容を明らかにし、「障害者も指導できるスポーツ指導者」像を明確にする。そのうえで、必要な指導者養成カリキュラムの中身を明らかにすること。 具体的な研究内容は次のとおり。(公財)日本体育協会公認のスポーツ指導者1000人に対してアンケート調査を実施した。アンケート項目は、障害者や障害者の能力、障害者スポーツ、障害者にスポーツ指導することに関するイメージ。障害者のスポーツ指導経験の有無、障害者のスポーツ指導を実施する際に必要と思われる学習内容に関するものである。回収率は45%であった。その結果、障害者のスポーツ指導の経験がある人が約4分の1いた。障害者にスポーツを指導する際に不安に感じることとして多かったのは対象者がパニックなどを起こした時の対処方法、コミュニケーションの取り方、スポーツの技術指導、けがなど緊急時の対処方法であった。あらかじめ学んでおきたい内容としては指導技術、緊急時の対処方法といったものが多かった。回答者の約4分の1の指導者は実際に障害者を指導した経験があると答えた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度実施する予定だった各競技団体の指導者養成カリキュラムの内容調査が実施できなかった。理由は体協指導者のアンケート調査を実施する前段階で体協、障害者スポーツ協会等との連絡調整が複雑で時間をとられてしまったこと、アンケート調査対象者を当初の予定の倍の1,000人としたことで、統計分析等に時間を要した為である。
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今後の研究の推進方策 |
次年度においては今年度実施できていない指導者養成カリキュラムの内容調査を次年度実施する。これに加えて当初から予定していた障害者のスポーツ指導経験のないスポーツ指導員数名にインタビュー調査を行い、アンケート調査では明らかにできなかった、障害者のスポーツ指導に際して不安な内容、またどのような知識を必要としているかについて明らかにする。合わせて障害者のスポーツ指導経験のある指導者にもインタビュー調査を行い指導に必要な知識、技術、経験内容を明らかにする。前年度の研究調査とあわせて、障害者も指導できるスポーツ指導者像を明らかにする。
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