(1) 研究手法の熟達(研究方法を充分利用するために取り組むべき前提) 質的研究法に関連する先行研究を概観・整理したレビュー研究を、日本体育学会第62回大会(鹿屋体育大学:平成23年9月25日~27日開催予定)における体育心理分科会主催のキーノートレクチャーで公表する予定である。そこでは、本研究テーマにおいて中心的な分析方法である質的研究法について、1.質的研究を行う上での留意点、2.手法としてのリーズナブルさに惑わされない、3.そもそも「質的」とはどういうことか、などのトピックを掲げ、持論を披瀝し、有意義な意見交換の場にしたい。 (2) 生涯発達心理学研究の優れた知見を概観し、整理する(発達課題についてのレビュー) 生涯発達心理学研究において、これまで導き出されてきた優れた知見を概観し、整理することによって、アスリートがキャリアトランジションに伴って直面する発達課題を予測する。そこでは、これまでに公表された様々な心理社会的発達モデルを参考にしつつ、インタビュー調査における到達目標を設定する。 (3) アスリートの過渡期における心理・社会的発達課題の検討 対象:元日本代表級アスリートおよび元オリンピアン数名 調査マニュアルを基に、元日本代表級アスリートや元オリンピアンを対象として、集中的なインタビューを実施した研究報告を、日本体育学会第61回大会(中京大学)にて発表した。タイトルは、「アスリートのキャリアトランジションに伴う発達モデルの質的検討~TEMを利用した質的アプローチから~」であった。昨今の質的研究への関心度の高さの影響もあり、有意義な意見交換の場となった。
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