研究課題/領域番号 |
21500629
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
人見 嘉哲 金沢大学, 医学系, 准教授 (70231545)
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研究分担者 |
中村 裕之 金沢大学, 医学系, 教授 (30231476)
神林 康弘 金沢大学, 医学系, 講師 (20345630)
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キーワード | 運動 / 姿勢保持 / 骨格筋 / 遺伝子組換え動物 / 遺伝子発現 |
研究概要 |
本年度は、2種類の運動レポーター動物(TG動物)について生化学的に、短半減期ルシフェラーゼ(mLuc)、又は、短半減期GFP(mEGFP)の発現量を検討し、最適なレポーター発現量を示す動物系統の選別と繁殖を目指した。 その結果、安静時のレポーター遺伝子発現量は、非常に低く抑えられていた。つまり、運動負荷前のバックグラウンドを低く抑えることができる。一方、TG動物にトレッドミルによる運動を負荷した場合、ルシフェラーゼ、または、GFPの発現誘導は、in vitroやマウス骨格筋にTG作成用のレポーター遺伝子を一過性に導入した実験結果に比較して非常に低いことが判明した。数種類のファウンダー間で発現誘導に差異があることから、発現誘導が高いTGをヘテロに持つ動物を交配してTGのホモ化を進めている。現在までに、5系統についてホモ動物が得られた。 ヘテロ動物からホモ動物を作成することは、実験に適さない非TG動物飼育や遺伝子解析に要するロスを防ぎ、実験に供する動物の遺伝形質の安定を計ることができる。また、TG発現量の増加が見込めることから、今後、運動時や安静時における骨格筋活動量を可視的に観察する上で有利な実験動物を用いることができる。さらに、運動時や安静時に筋線維レベルで筋線維タイプと筋線維活動量の関係を検索することが可能にすることが期待される。 来年度は、形質の安定したホモ動物を用いて、姿勢制御や運動に関与する主動筋、協働筋、拮抗筋の機能分担を明らかにするために、各骨格筋におけるレポーター遺伝子発現レベルを生化学的、可視的に検討する予定である。
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