研究課題/領域番号 |
21500629
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
人見 嘉哲 金沢大学, 医学系, 准教授 (70231545)
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研究分担者 |
中村 裕之 金沢大学, 医学系, 教授 (30231476)
神林 康弘 金沢大学, 医学系, 講師 (20345630)
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キーワード | 運動 / 姿勢保持 / 骨格筋 / 遺伝子組換動物 / 遺伝子発現 / ビタミンC |
研究概要 |
2種類の運動レポーター動物(TG動物)について形質の安定したホモ動物を樹立し、運動による酸化ストレスレベルの指標として、生理的半減期が非常に短いビタミンC代謝産物、デヒドロアスコルビン酸(DHA)量と比較して、各骨格筋におけるレポーター遺伝子発現レベルを生化学的に検討した。 その結果、樹立したホモ動物において運動レポーター遺伝子産物であるルシフェラーゼ、または、GFPの発現は、安静時に非常に低く、運動による誘導も可視的に検索することが非常に難しいことが判明した。このため、現在までに安静時の骨格筋活動量について、信頼性の得られる結果を得ることはできなかった。一方、ストレス応答性の高い酸化ストレスマーカーとして、これまで測定が困難であった骨格筋組織中のDHA定量法を確立した。その結果、安静時に下肢の骨格筋において、酸化ストレスの指標になるビタミンC、DHA量と量比に差があることが明らかになった。遅筋線維に富み安静時の姿勢制御に重要なヒラメ筋は、ビタミンC量が約700LIM/gと速筋線維で構成される前脛骨筋や腓腹筋に比較して2倍程度多く、また、DHA量も50%多かった。これは、安静時における骨格筋、筋線維の活動量を反映する結果と考えられた。加えて運動負荷により各骨格筋に特徴的な割合でビタミンC量の低下とDHA量の増加を観察した。 DHA量の変動は、生化学的に検出した運動レポーター遺伝子の発現量と一致していた。今回短半減期レポーター遺伝子を導入した作出した動物は、必ずしも運動を可視的に検索する当初の目的に合致しなかった。しかし、高輝度レポーター遺伝子とプロモーター活性を工夫することで、有用なレポーター動物作出への道を開くものと考える。
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