研究概要 |
1.平成22年度は、持久性トレーニング時におけるビタミンC投与が、骨格筋の酸化能力の指標であるクエン酸合成酵素(CS)活性、抗酸化能力の指標であるスーパーオキシドジスムターゼ(Mn-SOD、CuZn-SOD)のタンパク質量、およびミトコンドリアの新生において重要な役割を果たす転写補助因子であるperoxisome proliferator activated receptor γ coactivator-1(PGC-1)タンパク質量の上昇を抑制するか否かを検討した。 2.実験動物のラットをトレーニング群とコントロール群に分けた。トレーニングの種類は持久性トレーニングであり、第1実験では5回/週の頻度で4週間の高強度の間欠的水泳トレーニングを、第2実験では1日6時間(水泳3時間、休息45分、水泳3時間)の持続的な水泳トレーニングを10日間負荷した。なおぐ第1実験のトレーニング群は、ビタミンC非投与群,ビタミンC低用量(体表面積cm^2当り0.06mg)群,ビタミンC中用量(体表面積cm^2当り0.12mg)群およびビタミンC高用量(体表面積cm^2当り0.24mg)群に分けた。第2実験のトレーニング群は、ビタミンC非投与群とビタミンC投与(体表面積cm^2当り0.24mg)群に分けた。なお、ビタミンC投与は経口投与とした。 3.高強度の間欠的水泳トレーニングは、ビタミンC投与の有無にかかおらず、滑車上筋のCS活性を有意に上昇させた。一方、持続的な水泳トレーニングは、ビタミンC投与の有無にかかわらず、滑車上筋および上腕三頭筋のCS活性を有意に上昇させた。また、高強度の間欠的水泳トレーニングに伴う滑車上筋のCS活性の上昇は、PGC1およびMn-SODのタンパク質発現の有意な増加を伴ったが、CuZn-SODのタンパク質量の有意な変化を伴わなかった。
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