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2010 年度 実績報告書

定期的な運動が発達障害の症状を緩和する際の分子メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 21500642
研究機関中村学園大学

研究代表者

中野 裕史  中村学園大学, 人間発達学部, 准教授 (60301678)

キーワード発達障害 / 甲状腺ホルモン / 十字迷路 / ロータロッド / モリス水迷路 / ラット / 行動
研究概要

甲状腺ホルモンは脳の成長発達に重要であることが広く知られている.本年度は甲状腺ホルモンの合成阻害剤であるプロピルチオウラシルを飲料水(0.02%PTU)として母ラットに3週間与え、母乳を介して甲状腺ホルモンを撹乱した仔ラット(PTUラット)に4週間の走運動(15m/分,60分/日,5日/週)を課した後,行動観察を行った.また,コントロールラット(CONラット)にも同条件の走運動を課して比較した.十字迷路において,CONラットでは走運動による不安傾向の変化はほぼ認められなかったが,PTUラットでは走運動によりさらなるHyper Activityと不安傾向の減弱を示した.ロータロッド(4rpmから40rpmに速度を漸増)においては,CONラットでは走運動による運動機能の変化はほぼ認められなかったが,PTUラットでは走運動によりロッド上での走行時間がCONラットと同レベルまで延長し,運動機能の改善が認められた.モリス水迷路学習(4試行/1日,5日間)において,CONラットでは走運動による空間記憶・学習能力の変化はほぼ認められなかったが,PTUラットでは走運動により学習4日目以降,プラットホームに到達するまでの逃避潜時と遊泳距離が短縮し,空間記憶・学習能力の改善が認められた.その際,走運動による遊泳速度の変化が認めらないことから,空間記憶・学習能力の改善が遊泳機能の向上によるものではないと考えられた.以上のように,乳児期の甲状腺ホルモン撹乱による運動機能,空間記憶・学習能力の低下が走運動により改善する可能性が示された.しかし,走運動によりさらなるHyper Activityと不安傾向の減弱が生じ,改善されない行動特性も認められた.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2010

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] 乳児期の甲状腺ホルモン撹乱による行動特性の変化と脳由来神経栄養因子の関係2010

    • 著者名/発表者名
      中野裕史
    • 学会等名
      第65回日本体力医学会大会
    • 発表場所
      千葉商科大学
    • 年月日
      2010-09-16
  • [学会発表] 甲状腺ホルモン撹乱による発達障害モデルラット2010

    • 著者名/発表者名
      中野裕史
    • 学会等名
      第3回脳・神経・内分泌系から運動の意義を考える会
    • 発表場所
      和洋女子大学
    • 年月日
      2010-09-15
  • [学会発表] 恐怖刺激を伴う運動は発達障害の症状を悪化させる2010

    • 著者名/発表者名
      中野裕史
    • 学会等名
      第18回日本運動生理学会大会
    • 発表場所
      鹿児島大学
    • 年月日
      2010-08-01

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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