研究概要 |
本研究は、大学医学部附属病院の教職員40歳以上60歳未満を対象に、任意に行う運動だけではなく労働などを含む日常の身体活動(生活活動)が、Metabolic Syndrome(以下、MS)に及ぼす影響について追跡調査し検証することである 当該年度の内容:縦断的研究 2009年(ベースライン時)と2010年(1年後)とMS有無の比較およびMS関連因子について、調査・解析した。 【対象】2009年および2010年の6月に健診を受診した本学医学部及び附属病院の40~59歳のうち、服薬(血圧、血糖、コレステロール)中の者を除外した男性148名(平均年齢:47.5±4.9)、女性259名(平均年齢:46.5±4.4))。 【方法・解析】2009年と2010年とのMS有無についてx^2検定、MS診断基準の検査値(BMI,腹囲,血圧,血糖,血中脂質)および身体活動(運動・生活活動)量についてpaired t-testを男女別に行った(p<0.05)。 【結果・考察】ベースライン時と1年後とでは男女ともMS有無の有意差は見られなかった。 しかし、MS関連因子において、男性ではBMI,腹囲がベースライン時よりも1年後の方が有意に高く、HDL-C(mg/dl)は男女とも有意に低下していた。また、身体活動因子の運動量は男性ではベースライン時よりも1年後の方が1有意に高かった。この結果から、男女とも1年間でMS関連因子の悪化が示唆され、特に男性では顕著でありMS予防対策が重要と考える。今後、さらに縦断的研究を進めMS関連因子の経時変化をモニタリングしながら身体活動(運動・生活活動)がMSに及ぼす影響を検証する。
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