研究概要 |
平成25年度の研究では、2009年と2013年の特定健診を受診した大学医学部附属病院の40歳以上の教職員のうち、2009年(ベースライン)にMetabolic Syndrome(以下、MS)非該当軍であった235名を対象とし、身体活動を含む生活習慣がMetabolic Syndrome(以下、MS)発症に及ぼす影響の縦断的検討を行った。 【方法・解析】健診結果と問診票項目(身体活動、食習慣、体重変化、睡眠・休養、喫煙、飲酒)を以下の通りデータ処理した。1.身体活動については厚労省の「健康づくりのための運動指針 2006」を引用し健康づくりのための身体活動基準2013」で示されている基準値23METs・h/週をカットオフ値として23METs・h/週以上を運動群、23METs・h/週未満を非運動群とした。2.MS発症については2009年から4年後(2013年)に予備軍または該当軍となった者をMS発症群、4年後も非該当軍であった者を発症なし群とした。3.MS発症を従属変数、ベースライン(2009年)の性、年齢、身体活動、歩行速度、1年間の体重変化、早食い、遅い夕食、夜食・間食、朝食、睡眠・休養、喫煙、飲酒を独立変数とした2項ロジスティック回帰分析(ステップワイズ法:F値≦0.05)を行った(p<0.05)。 【結果】独立変数に性、朝食、睡眠・休養が採択され、オッズ比の大きい順に性(5.411, 95%CI:2.001-14.633,男性/女性)、睡眠・休養(2.726, 95%CI:1.077-6.901不十分/十分)、朝食(0.297, 95%CI:0.105-0.839,朝食/欠食)であった。 【意義・重要性】身体活動が腹囲減少、喫煙が腹囲増加、腹囲と中性脂肪減少およびベースライン時HDL-CがHDL-C増加、身体活動がHDL-C減少に影響を及ぼすことが明らかになった。
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