研究課題/領域番号 |
21500649
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
川村 恊平 山梨大学, 教育人間科学部, 教授 (60126646)
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研究分担者 |
佐藤 弘明 浜松医科大学, 薬学部, 教授 (40101472)
山内 太郎 北海道大学, 大学院・保健科学研究院, 准教授 (70345049)
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キーワード | 狩猟採集社会 / ライフスタイル / 健康 / 環境意識 |
研究概要 |
日本では近年における都市化、核家族化、少子化の社会環境の変化や過度の受験競争にともない、青少年の日常生活において自然とのふれあい方も変化し、屋外での遊びが減少し、同時に身近な環境への意識も変化し、自然に対する価値観の変化もおこっていることが考えられる。 また、狩猟採集民の子どもは、森での遊びを通して生き抜くための知恵や技術を学ぶ。小集団で共同生活する森の狩猟採集キャンプは子どもたちにとって学校そのものであるといえる。狩猟採集社会のライフスタイルを観察し、環境に関する意識を調査することによって、野外教育、レクリエーションのもつ現代的意義と価値について考えることを本研究の目的とした。 平成21年度においてはアフリカカメルーンの南東部に居住する、狩猟採集民バカピグミー約70名を対象に調査をおこなった。調査は、生活において価値をおいているもの、大切にしているものを知るためにイラストを用いて調査を実施した。内容は、バカの生活(衣食住)に関わる14枚のイラストを作成し、それぞれのイラストが均等に提示されるように2枚ずつ26の組み合わせを作成し、二者択一法の手法を用いて2つのうちどちらが大切かをたずねて回答を求めた。 イラストの内容は、彼らの生活に密着した森、モングル(ピグミーの家)、バンジョー(集会場所)マチェット(鉈、のこ切り兼用の道具)などの生活空間や道具など、魚、森の動物などの食物に関連したもの、さらには時計や紙幣など日常の中にはさほど深く浸透していないが文明社会では広く流通しているものを用いた。その結果、狩猟採集民は生きていくための大切な物は森や家族、生活道具などであったが、紙幣や時計などなどにも興味を抱いている事がうかがえた。
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