研究課題/領域番号 |
21500654
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研究機関 | 新潟県立看護大学 |
研究代表者 |
徐 淑子 新潟県立看護大学, 看護学部, 講師 (40304430)
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研究分担者 |
近藤 千春 藤田保健衛生大学, 医療衛生学部, 准教授 (60331576)
葛西 賢太 聖心女子大学, 文学部, 講師 (00281014)
野坂 祐子 大阪教育大学, 学校危機メンタルサポートセンター, 准教授 (20379324)
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キーワード | 薬物・アルコール依存症 / 若年者 / 初期介入 / 健康教育 / 社会医学 |
研究概要 |
今年度は、以下の研究課題に取り組んだ。 研究課題1 薬物・アルコール依存症防止教育についての基礎情報・実践例収集 国内外の薬物・アルコール依存症回復施設を訪問して情報を収集し、日本国内に現存する予防・ケア資源との比較検討を行った。先進国・途上国を問わず、司法的な介入を通じて依存症ケア資源にアクセスするルートのある国々では、回復施設、専門医療機関、自助グループなどの社会的認知度が高く、予防教育を含めた対策実施に対する世論の確立・社会の受け入れが一定のレベルに達していた。その一方で、犯罪予防、矯正・更正・社会的不平等か自己責任かなど、価値や利益の対立にもとづいた激しい社会的議論が絶えない様子も伺えた。 研究課題2 ターゲット・オーディエンスについての基礎調査-I- 当事者・回復者を対象とした調査を実施し、教育ニーズを明らかにする目的で、半構造的インタビューおよび参与観察調査を実施した。その結果を研究課題1の結果とも照らし合わせながら検討したところ、もっとも働きかけ・情報源が不足している(教育ニーズが高い)のは依存症者を家族員にもつ若年者(とくに児童・生徒)であることが示唆された。この層に向けた啓発・教育教材の充実は急務である。また、未成年の依存症家族に向けた教育キャンプなどの小集団教育は、他国での前例はあるものの、日本では実践例はほとんどない。一方、日本では他疾患の病児キャンプ(たとえば、小児糖尿病や小児がんなど)はすでに導入されているので、この経験を生かすことによって、依存症予防のあたらしい介入モデル画策が可能ではないかとの示唆が得られた。
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