研究課題
【目的】自然体験活動が子どもの心身へ及ぼす影響に関する基礎的資料を得る目的で、キャンプ活動への参加が子どもの精神的健康度、自己効力感、生活習慣、規範意識、友人関係に及ぼす影響について検討を行った。【方法】研究参加者は、宿泊が伴うキャンプ活動に参加した小学4年生から中学1年生の男女15名(男子8名、女子7名。以下キャンプ群)と某市立A小学校4年生から6年生の男女145名(男子61名、女子84名。以下対照群)であった。調査は、指導者及び先生の指導のもと、自記式アンケート調査法により実施された。調査時期は、キャンプ事前、直後、1ヵ月後の3回であった。調査項目は、先行研究を参考にして、「基本的属性」「自己効力感」「不定愁訴」「生活習慣」「規範意識」「友人関係」を採択した。対照群を、これまでのキャンプ経験をもとに、3群に分類した。【結果と考察】自己効力感の合計点について、キャンプ群の事前と直後、事前と事後の間に有意な差がみられ、他群では有意な変化はみられなかった。野外活動に参加し、自然生活を経験することは、子どもの自己効力感の向上に効果的であることが示唆された。不定愁訴出現率を4群間で比較したところ、キャンプ群の子どもたちは他の3群の子どもたちよりも、各項目の不定愁訴出現率が低く、健康的な子どもは多いことが示唆された。各調査時期別に不定愁訴数平均値を4群間で比較したところ、事後においてキャンプ群と他の3群の間で有意な差がみられた。野外活動を経験することが子どもの不定愁訴の改善に結びつくことが示唆された。就寝時刻、起床時刻、朝食および夕食の摂取状況、友人関係については、各調査時期の間で変化はみられなかった。【結論】自然体験活動への参加が、子どもの自己効力感の向上と不定愁訴の抑制に影響を及ぼすことが示唆された。
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