研究課題
【目的】子どもの心身の健やかな発達と健全な青少年の育成を目指して、子どもが自然体験活動を行う試みが、近年活発化している。こうした中、兵庫県神戸市・国営明石海峡公園神戸地区棚田ゾーン(栗林地区)において、日本ユニセフ協会と栗林地区に関わる個人、行政、大学、研究機関が連携し、「子ども参加型公園づくり・ユニセフパークプロジェクト(UPP)」を企画した。本研究では、UPPに参加した子どもの意識の変化をグループインタビューにより、明らかにすることを目的とした。【方法】参加者は、幼稚園児から小学校6年生までの29人(男子17人、女子12人)、ファシリテーター(FA)18人(中高齢者を含む社会人7人、大学生11人)、日本ユニセフ協会兵庫県支部員6人、保護者8人、スタッフ8人であった。プログラムの内容は、「オープニングプログラム」「ユニセフプログラム(日本ユニセフ協会兵庫県支部):ユニセフの活動」「水問題がもたらす世界の子どもの現状・水問題に悩む世界の子どもの現状」「水くみ・水運び体験」「公園づくりプログラム」「FAの指導でビー玉などを埋めた平板を児童が各自1枚作成」「クロージングプログラム」であった。プログラムの終了後、各プログラムについて、聞き取り調査を行った。【結果】参加した児童を4グループに分けて、グループインタビューを行った。質問1「楽しかったこと」は、「セメントの平板づくり。水を運んだこと。ゲームや踊ったこと。地元のご飯を食べたこと」、質問2「水と世界の子どもたちのいのちについて」は、「世界にそういう子どもたちがいることを知られてよかった。水を運ぶのが大変なのに、水がないと生きていけない。水があんなに汚かったら飲めない。自分たちにできることはないかと考えた」、質問3「公園の園路づくりに参加して」は、「難しかったけど、また作りたい。ビー玉を埋めるのが楽しかった。きれいな道になったらいいなと思った」等の回答が得られた。【結論】世代間交流を通じた自然体験活動が、子どもの環境に対する意識の変容に寄与し得ることが示唆された。
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http://www.shse.u-hyogo.ac.jp/uchida/