研究課題
1)A市の小学校に通学する小学校1年生から6年生(22名)、及び同市内に在住する70歳以上の高齢男性(3名)に対して、自然体験活動(兵庫県姫路市大釜地区の里山)を中心とした世代間交流事業を実施し、その効果について検討を行なった。小学生に対しては「運動をする時間」「自然体験活動以外の屋外で遊ぶ時間」「高齢者イメージ」「不定愁訴」についてアンケート調査、高齢者に対しては「健康度自己評価」「日常生活行動」「運動習慣」「外出行動の実態」「転倒の有無」「役割感」「生きがい感」等に関する個別インタビューをそれぞれ実施した。分析の結果、自然体験活動・教育支援活動の前後で小学生児童の高齢者イメージは向上していることがわかった。高齢者においては、役割感、生きがい感が増していることが認められた。自然体験活動が子どもと高齢者の双方に良い影響を及ぼすことが示唆された。2)小学5・6年生の児童を対象として、彼らが小学2・3年時に2年間にわたって受けたシニアボランティアによる小学校教育支援プログラムの影響について検討した。研究参加者は小学校教育支援プログラムを受けたA小学校5.6年生70名、教育支援プログラムを受けていないB小学校5・6年生120名であった。両校の児童に対して、「SD法による高齢者イメージ短縮版」「学校生活」、A小学校の児童に対してのみ「小学校教育支援プログラムの思い出」について、自記式アンケート調査法により回答を求めた。A小学校の児童の方がB小学校の児童より、有意に高齢者イメージは高かった(P<0.05)。A小学校の児童に対して、高齢者イメージを「一般高齢者」と「シニアボランティア」に分けて回答を求めたところ、シニアボランティアの方が一般高齢者より「正しい」「忙しい」「はやい」「大きい」「強い」のイメージ得点が有意に高かった(各P<0.05)。
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老年社会科学
巻: 33(1) ページ: 60-73
日本老年医学会雑誌
巻: 48(4) ページ: 352-360
http://www.shse.u-hyogo.ac.jp/uchida/