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2010 年度 実績報告書

認知行動療法に基づくストレスマネジメントが児童生徒の生きる力の育成に及ぼす効果

研究課題

研究課題/領域番号 21500664
研究機関早稲田大学

研究代表者

嶋田 洋徳  早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (70284130)

キーワードストレスマネジメント / 認知行動療法
研究概要

平成22年度は,認知行動療法に基づくストレスマネジメントを実践する一環として,児童生徒が所属する学級集団の要因に焦点を当て,その理解の向上を試みた。学級集団を基盤としたストレスマネジメントを実践する際には,これまで児童生徒同士の相互作用が暗黙のうちに仮定されていたものの,それらを具体的に考慮に入れた介入実践はほとんど行われてこなかった。そこで相互作用を「仲間モニタリング」によって操作を行うことによって,従来型の介入実践に比べて効果の向上がみられるかどうかの検討を行った。研究1では,小学4年から6年生524名を対象として,従来型介入実践を行う群,従来型介入実践に仲間モニタリングを加える群に振り分けた。仲間モニタリングの操作は,介入実践前5日間にわたる仲間のモニタリング回数をベースラインとして測定した後,従来型ストレスマネジメント実践に加えて,仲間に積極的に働きかける課題を課すことによって行った。そして,従来型介入を行う群と比較して,仲間モニタリングを加えた群における介入実践後5日間にわたる仲間のモニタリング回数がベースラインよりも増加しているかどうかによって,操作チェックを行った。その結果,仲間モニタリングを加えた群において,不適切なコーピング行動が有意に減少していることが示された一方で,児童生徒のストレス反応の有意な変化は認められなかった。研究2では,中学1年から3年生476名を対象として,研究1と同様の手続きを用いて実践介入を行った。その結果,全体的にストレス反応の有意な変化が認められたが,群間差は認められなかった。以上の結果から,児童生徒の相互作用の操作は,学年が低いほど効果が期待できる可能性が示唆されるが,仲間モニタリングの操作方法が十分に機能していなかった可能性もあることから,学級集団の相互作用を記述,操作する方法論を今後検討していく必要性があると考えられる。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] サポート知覚促進の要素を取り入れた問題解決訓練が児童の学校適応感に及ぼす影響2011

    • 著者名/発表者名
      林響子・田中寿理・津村秀樹・嶋田洋徳
    • 雑誌名

      早稲田大学臨床心理学研究

      巻: 10 ページ: 47-56

    • 査読あり
  • [学会発表] 心理的健康教育・予防教育実施における学校のアセスメント2010

    • 著者名/発表者名
      嶋田洋徳・山崎勝之
    • 学会等名
      日本心理学会第74回大会
    • 発表場所
      吹田市(大阪府)
    • 年月日
      2010-09-20
  • [学会発表] 日本になじむ予防教育の導入:学校のホンネ2010

    • 著者名/発表者名
      嶋田洋徳
    • 学会等名
      日本教育心理学会第52回総会
    • 発表場所
      新宿区(東京都)
    • 年月日
      2010-08-27
  • [学会発表] School-based cognitive behavioral intervention for depressive symptoms in junior high school students2010

    • 著者名/発表者名
      Minosaki, K., Koseki, S., Sasaki, K., Shimada, H.
    • 学会等名
      6th World Congress of Behavioral and Cognitive Therapies
    • 発表場所
      ボストン(アメリカ)
    • 年月日
      2010-06-04

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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