研究課題/領域番号 |
21500665
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
坪井 宏仁 金沢大学, 薬学系, 准教授 (20319338)
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研究分担者 |
榊原 啓之 静岡県立大学, 環境科学研究所, 助教 (20403701)
金子 宏 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (60214467)
松永 昌宏 藤田保健衛生大学, 医学部, 研究生 (00533960)
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キーワード | 精神的ストレス / 抑うつ / メタボリックシンドローム / 予防 |
研究概要 |
「精神的ストレス」および「抑うつ状態」と「メタボリックシンドローム」に共通する生物学的指標を同定し、心身相関のメカニズムを解明し、うつ病の遷延化および生活習慣病を予防することを目的に、横断的研究を行った。 対象者の属性および心理的特性把握には自記式質問票(抑うつにはCES-D、自覚的ストレスにはVASを用いた。また、対象者から採血をし、インスリン濃度、総コレステロール濃度、HDLコレステロール濃度(HDL-C)、LDLコレステロール濃度(LDL-C)、各脂肪酸分画濃度、過酸化脂質濃度、IGBP-1、PAI-1濃度、PAI-2濃度を測定した。 男性では、抑うつ度は飽和脂肪酸/LDL-Cおよび一価不飽和脂肪酸/LDL-Cと正の相関を示した。一方女性では、抑うつ度は、n-3多価不飽和脂肪酸負の相関を示し、過酸化脂質およびIGBP-1と正の相関を示した。女性での抑うつ度と過酸化脂質の関連性は2004年の調査が再現されたこととなる。しかし、交絡因子も考えられるため、さらなる解析が必要である。また、男性と女性の違いは、理由付けはできていないが有益な情報となった。 横断的研究であるため、また脂肪酸は食生活により変化するため、研究としては今後の課題が多いが、メタボリックシンドロームと関連する生物学的指標と、うつ状態になりやすい特性を示す生物学的指標で共通する候補が発見され、社会問題である両障害の予防へのヒントが示された。
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