研究課題/領域番号 |
21500667
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研究機関 | 京都女子大学 |
研究代表者 |
新矢 博美 京都女子大学, 発達教育学部, 教授 (70201564)
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研究分担者 |
芳田 哲也 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 准教授 (00191601)
寄本 明 滋賀県立大学, 国際教育センター, 教授 (30132278)
中井 誠一 京都女子大学, 家政学部, 教授 (90090092)
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キーワード | 熱中症 / 水分損失量 / 水分摂取量 / 児童 / 乳児 / 幼児 / 高齢者 |
研究概要 |
近年、地球温暖化に伴い、熱中症が増加している。特に、生理的機能が低下した高齢者や、体温調節機能が未発達な子どもにおいてはその対策が急務である。 本研究では、年齢階級を考慮した現代日本人の水分摂取基準を確立することを目的とし、これまでの成人男女についての調査に加え、中・高齢者および子どもを対象にして、体重計測による水分出納測定(1日および運動時)を実施した。 1.子どもの水分出納 1)第64回体力医学会大会(2009年9月)において、児童(小学生男女11名)の体重当たりの1日の水分損失量が大学生に比較して高値であることを発表した。 2)2009年11月~2010年2月に、幼児(4~5歳男女16名)および乳児(3か月~20カ月男女16名)における1日の水分出納をそれぞれ測定した。結果は未発表であるが、体重当たりの1日の水分損失量は、乳児、幼児、児童の順に高く、発達段階での水分代謝の差異が示された。 このような乳児、幼児および児童における水分出納の調査は、保護者や保育者および教員の協力の必要性や測定の困難さ等から極めて少ないのが現状であり、本研究で実施できたことは意義あることと考えられる。 2.運動時の中・高齢者の水分出納 第48回生気象学会大会(2009年12月)において、中・高齢者(男女75名)におけるウォーキング時の水分損失量は、環境温度および運動強度の影響を受け、若年成人より低値であることを報告した。また同時に、ウォーキング時の環境温度別・年齢別の水分摂取の目安を提案した。これらの一部については、ウォーキング研究(NO.13、2009年)に報告した。近年、ウォーキングや同程度の強度の運動を実施する中・高齢者が増加していることから、運動時の水分摂取量の目安を提案できたことは意義あることと考えられる。 今後さらに被験者数を増やして調査を継続することにより、年齢、環境温度、身体活動量等の条件を考慮した水分摂取基準を確立させることが可能となる。
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