研究分担者 |
押田 芳治 名古屋大学, 総合保健体育科学センター, 教授 (10169295)
秋間 広 名古屋大学, 総合保健体育科学センター, 准教授 (40292841)
石田 浩司 名古屋大学, 総合保健体育科学センター, 教授 (50193321)
片山 敬章 名古屋大学, 総合保健体育科学センター, 准教授 (40343214)
榎 裕美 愛知淑徳大学, 健康医療科学部, 准教授 (90524497)
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研究概要 |
平成23年度においては、平成22年度に行った栄養調査に加えて、運動状況調査を行い、若年肥満男性の生活習慣上の問題点をより詳細に検討するとともに、平成21-22年に行った「カロリー制限と運動の併用介入」との比較のために、「カロリー制限のみの介入」の代謝に与える影響を調べた。 栄養調査(食事記録法)(BMI31.6±3.0kg/m^2、年齢22.6±1.8才の男性14名を対象)では、全体的に動物性蛋白質の摂取が多いこと、朝食欠食者では、朝食を規則的にとる者と比較して摂取カロリー量は少ないが、夕食の摂取が夜10時以降であるものが多いとの結果が得られた。また、運動調査(ライフコーダによる計測)では、平均歩数/日は8,724±3,250であり、同年代の平均歩数とほぼ同等であったが、個人差があり、身体活動量は週末において最低であった。 カロリー制限(基礎代謝に基づき決定したカロリー摂取量の最大20%減)のみの介入は、BMI21.4±2.2kg/m^2、年齢24±11才の男性8人で行った。介入前後において体重が平均3.4kg、脂肪率が平均3.3%低下した。平成22年に行った運動とカロリー制限の同時介入と異なり、HOMA-IR、ブドウ糖負荷試験時のインスリン分泌量には有意な変化は認めず、慢性炎症指標として白血球数は低下したが高感度CRPは変わらず、基礎代謝量も低下しなかった。一方、DHEA-Sと高分子アディポネクチンは低下傾向を認めた。この介入試験よりは、肥満のない若年の男性において、運動を伴わないカロリー制限の代謝改善におよぼす有効性は弱く、運動併用により望ましい効果が増強した。このことは、ダイエットにおける運動併用の必要性を強く示すものである。
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