研究概要 |
本研究の目的は、メタボリックシンドローム予防・改善のための運動トレーニングにより、十分な内臓脂肪減少が得られた際の各種アディポサイトカインの変化と、それらの動脈硬化、糖尿病発症予防への関与を明らかにすることであった。16週間の運動により対象者の内臓脂肪面積は有意に減少し、血中のアディポネクチン、レプチン,レジスチン、ビスファチン、レチノール結合蛋白4(RBP4)、腫瘍壊死因子-α(TNF-α)はいずれも有意に改善した。この中で、血中アディポネクチンの変化のみが内臓脂肪面積の変化、およびTNF-αの変化と有意な負の相関関係を示した。以上より、運動による内臓脂肪量減少が内臓脂肪組織の慢性炎症改善をもたらした結果TNF-αの産生が減少し,抗動脈硬化・抗糖尿病因子のアディポネクチンの増加が認められた可能性が示唆された.
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