バイオマーカーとしてのMCT4定量系構築への試みとその制御因子の解明

2011 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 21500690
• 研究機関: 北海道医療大学
• 研究代表者: 飯塚 健治 北海道医療大学, 薬学部, 准教授 (10344467)
• 研究分担者: 平藤 雅彦 北海道医療大学, 薬学部, 教授 (20142987) ; 町田 拓自 北海道医療大学, 薬学部, 講師 (90433424)
• キーワード: 骨格筋細胞 / MCT4 / バイオマーカー / 抗体

研究概要

平成23年度においては、過年度で作成した抗MCT4抗体の反応性についてヒト培養骨格筋細胞を用いてドットブロット法並びにウエスタンブロット法を用いて再検討を行い、異なるエピトープを認識する抗体はいずれもMCT4との反応性を有しており、実験系の構築に使用可能であると判断された。一方、MCT4蛋白の作製はMCT4濃度測定システムの構築に当たっての標準蛋白となると共に、作製した抗体の評価を行うに当たっても重要であることから、本年度はヒト骨格筋細胞を用いて平成21年度に分離したmRNAを元に作製したMCT4のcDNAの作成を試みたが、蛋白質発現系での作動が思わしくなかったため、すでにベクターに挿入されている既存のMCT4cDNAを準備して、MCT4蛋白のin vitro合成を試みた。この蛋白について、再びドットブロット法並びにウエスタンブロット法を用いて検討を行った結果、複数の抗体でシングルバンドでのMCT4が検出され、MCT4蛋白が作製されたことを確認した。その後、このMCT4蛋白を用いて希釈系列を作製し、これを検量線として用いることで、MCT4に対する単ELISA並びにサンドイッチELISAの作製を試み、頭書の目的に合致した検量線の作製を行うことができた。
当該年度における今ひとつの実験計画に基づき、MCT4蛋白の挙動関与する分子について検討を行った。前年度に引き続いてCD147の変化を検討したが、実験条件や抗体との反応性から最終的な結論を得るためにはさらなる検討が望ましいと考えられ、これまでに得られた細胞膜を含む細胞内CD147が圧力の負荷によって比較的短時間に変動を示す可能性について、さらなる検討を行う事を計画している。