研究課題/領域番号 |
21500691
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研究機関 | 高崎健康福祉大学 |
研究代表者 |
案田 順子 高崎健康福祉大学, 健康福祉学部, 教授 (40176011)
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研究分担者 |
児玉 直樹 高崎健康福祉大学, 健康福祉学部, 准教授 (50383146)
石坂 公俊 高崎健康福祉大学, 健康福祉学部, 講師 (10438757)
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キーワード | 加齢 / 老化 / 認知症 / 非薬物療法 / 言語学 / かなひろいテスト / 母音 / 文字チェック |
研究概要 |
本研究は認知症患者の失語経緯の言語的解析から、発症予防および非薬物療法の確立を目指す。第一年目は次の2項目の分析・考察、開発を実施した。 第1に「かなひろいテスト」の判別表を独自に作成、結果の明確化に成功した。実験結果は平均回答文字数70代(13人)27.91±12.44、80代(29人)22.07±13.13、90代(14人)20.34±13.07だったが、母音61文字を最後まで追うことのできた被験者は70代2人、80代1人、90代は0人だった。本学学生200人(19~20歳)の平均回答文字数は57.19±6.05だったが、最後まで追うことができた学生は66.0%、内容を正確に答えられた学生はその半数であった。文章中の母音文字数が「a」・「u」=11、「i」=24、「e」=3、「o」=12と均一でなく、母音を拾わせながらも分析を念頭に置かず、文脈・文章量ともに認知症診断には不適切なテストであると判断した。 第2に文脈・キーワードが捉えやすく母音を均等においた新たな「文字ひろいゲーム」(被験者に精神的屈辱感や威圧感を与えない新名称)を独自開発した。文字数は40、100、200、400、600の5パターン、基本パターンに文字を不規則に並べ替え母音拾いを目的にしたもの、これを縦書きと横書きにしたものと、一文章に各4パターンを作成、被験者の状況に合わせ適宜に換えられるようにも工夫した。文意・文脈の把握の識別が容易に行えるように物語性に工夫を凝らし、キーワードチェック表も添えた。文章のライン毎に母音数を提示して集計の簡便化を図り、被験者が容易に自身の結果を集計出来るようにも工夫した。 平成22年度は「文字ひろいゲーム」をグループホーム入所者や独居老人、併せて本学学生にも実施し完成を目指す。同時にその結果を踏まえ、リハビリテーション効果度が高い「かな文字カルタ」(仮称)の作成を試みていく。
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