研究課題
[目的] 平成23年度は、髙血圧ラットへと移行する前段階として、我々が見出した新たな酸化ストレスマーカー・6ニトロトリプトファン(6-NO2Trp)の生成を正常ラットの脳で検討した。その結果、非運動群のラットにおいて解糖系の酵素など12種を6-NO2Trp含有タンパク質として同定したが急性運動、運動トレーニングの何れにおいても有意差は見出されなかった。今年度は、より運動の効果が期待出来る骨格筋を対象に、6-NO2Trp含有タンパク質の同定と運動による変動を正常ラットで検討する。最後に、6-NO2Trp含有タンパク質の血清での高血圧病態マーカーとしての応用を目指し、髙血圧ラットと対照ラットの血清を用い、6-NO2Trp含有タンパク質の違いを検討する。[方法]3ヵ月齢の雄のF344ラットを用いた。ラットに中強度持久性走運動(15m/minの速度で1時間のトレッドミル走)あるいは高強度間欠性走運動(50m/minの速度で1分間のトレッドミル走を1分間隔で18回)を行わせ、その直後にヒラメ筋と足底筋を採取した。ニトロ化修飾されたタンパク質は2次元電気泳動と特異的抗体を用いたウェスタンブロッティング、質量分析装置を用いて検出した。更に、自然発症髙血圧ラット(SHR)とWSKラットの血清を用い、前処理後、同様に6-NO2Trp含有タンパク質の検討を行った。[結果]中強度持久性走運動と高強度間欠性走運動により変動した約60kDa付近のスポットから6-NO2Trp含有タンパク質を見出した。このスポットのタンパク質を質量分析装置で分析した結果、∝-skeletal muscle actinであった。更に、SHRの血清に特異的に生じている6-NO2Trp含有タンパク質も見出した。今後、タンパク質の同定を行い、運動における変動も検討する。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2012
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (8件) 産業財産権 (1件)
Bioscience reports
巻: 32 ページ: 521-530
DOI:10.1042/BSR20120032
J Biosci Bioeng
巻: 114 ページ: 23-27
10.1016/j.jbiosc.2012.02.014