研究課題
細菌およびウイルス感染初期の病原体分子を認識するToll様受容体(TLRs)と身体活動性との関連性について検討を行い、本年度は特に以下の研究成果が得られた。ssRNAウイルス感染初期の免疫応答に及ぼす運動の影響についてssRNAを認識するTLR7をR-848で刺激することによる血漿TNF-αおよびIFN-α濃度の変化から評価した。実験動物にはC3H/HeN雄性マウスを使用し、運動負荷には、トレッドミル走を用いた。運動および安静直後、R-848(5mg/kg, i.v.)を投与し、血漿TNF-αおよびIFN-α濃度をELISA法にて測定した。また、RAW264細胞にカテコラミンを添加し、R-848刺激に対するTNF-αおよびIFN-α応答性を評価した。さらに、β-アドレナリン受容体阻害剤処理マウスを用いて、走運動負荷後のウイルス応答性についても評価した。運動負荷はR-848誘導性血漿TNF-αおよびIFN-α濃度の上昇を有意に抑制した。RAW264細胞のR-848誘導性TNF-α産生はアドレナリン投与で強く抑制された。R-848誘導性血漿TNF-αおよびIFN-α濃度上昇の運動負荷による強い抑制は、β-アドレナリン受容体阻害剤で前処理することによって完全に消失した。R-848誘導性TNF-αおよびIFN-α産生は、運動ストレスによって抑制されることが明らかとなった。
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Eur.J.Appl.Physiol.
巻: 110 ページ: 797-803