現代の子どもにみられる「きれやすい」「感情コントロールができない」など対人関係の問題への対応に、子どもの生活動作の育成が関与できるのではという予測から、幼児、小学生の生活動作の発達について調査をすすめてきた。2年目である平成22年度は、保育現場、教育現場の協力のもとに、子どもの生活動作の特徴を把握した。さらに教育的視点から高校生の保育学習に還元することを目的に、高校の保育体験学習の調査を、また乳幼児の発達的視点から、保育上の困難を示す行動特徴のある子どもについて、保育者への意識調査を合わせて行った。さらに幼児の食事中の動作や会話にも着目し、食事への意識と食事行動の関係についても考察を行った。 高校生の保育体験学習では、通常子どもの遊具づくりに主眼がおかれがちであるが、実際には、幼児の<食べる>行為や<からだの大きさ><動き>の特徴に高校生が触れることによって、幼児に対する理解をすすんでいるということが示唆された。また幼児の食事中の食事動作や会話内容は、給食の場合とお弁当の場合とで異なり、給食では食事中の会話が活発になる傾向がみられるなど、子どもが与えられた状況による影響を大きく受けることが示唆された。
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