• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2011 年度 実績報告書

高齢化社会に向けての消臭機能を持つオムツ素材の開発

研究課題

研究課題/領域番号 21500727
研究機関お茶の水女子大学

研究代表者

仲西 正  お茶の水女子大学, 大学院・人間文化創成科学研究科, 教授 (90198143)

キーワードオムツ / 高分子ゲル / 膨潤挙動
研究概要

オムツ素材を考える上で重要な特性である,高分子ゲルの膨潤度を,溶液に含まれる溶質の種類,濃度などを広範に変化させて測定し,ゲルの膨潤特性を詳細に調べた.特に,ゲル構成高分子と溶質との相互作用とゲルの膨潤速度に着目して検討を行った.まず放射線照射架橋により調製したポリビニルアルコールゲル(PVA)とポリエチレンオキシド(PEO)ゲルに対してカルボン酸水溶液中の膨潤挙動を観察した.PVAゲルは用いたカルボン酸溶液中で酸濃度の増加にともなって膨潤した.膨潤度はグリコール酸<りんご酸<マロン酸,酒石酸,くえん酸<乳酸の順に大きくなった.PVAの水酸基にカルボン酸が相互作用し,ゲル中に元来存在していたPVA鎖同士の水素結合を切断したため膨潤したと考えられる.各種カルボン酸に浸せきしていたPVAゲルを蒸留水中にもどすと,膨潤度は浸せき前の状態まで回復した,一方,PEOゲルはカルボン酸溶液中で収縮傾向を示した.今回用いたカルボン酸のうちマロン酸で最も収縮し,膨潤度は濃度にともなって小さくなった.PEOはPVAと異なり,高分子鎖間に水素結合を形成していないため膨潤せず,また,PEOのエーテル酸素とヒドロキシ酸の水酸基の相互作用がPEO鎖をわずかに荷電させ膨潤度を正に誘引したと考えられる.また,PVAゲルをベンゾパープリン4B(BP)水溶液に浸せきして膨潤したゲルをNaCl水溶液に移行して膨潤度の時間変化を測定したところ,0.2mM NaClでは,蒸留水に浸せきしたものとほぼ同様であり,初期に急激な膨潤を示したのち収縮し,平衡状態で膨潤度が水中の約1.1倍となった.1.OmM NaClでは初期の膨潤を示さずに単調に収縮し,平衡状態で0.2mM NaClのゲルと同程度の膨潤度になった.これらの結果を,ゲル内外のイオン浸透圧差,ゲルの膨潤収縮にともなうゲル中でのBPの拡散性の変化,NaCl添加による外部溶液中でのBPの化学ポテンシャル低下などを考慮して考察した.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 直接染料水溶液中における含水PVAゲルの膨潤挙動2011

    • 著者名/発表者名
      仲西正, 池上夏菜
    • 雑誌名

      日本学術振興会繊維・高分子機能加工第120委員会年次報告

      巻: 62巻 ページ: 58-61

  • [学会発表] PVAおよびPEOゲルのカルボン酸水溶液中での膨潤挙動2012

    • 著者名/発表者名
      黒田尚子, 仲西正
    • 学会等名
      平成24年度繊維学会年次大会
    • 発表場所
      タワーホール船堀(江戸川区総合区民ホール)(発表確定)
    • 年月日
      2012-06-07

URL: 

公開日: 2013-06-26  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi