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2010 年度 実績報告書

染毛科学進展のための安全な新規染毛法の創製

研究課題

研究課題/領域番号 21500732
研究機関京都工芸繊維大学

研究代表者

安永 秀計  京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 准教授 (80241298)

キーワード生活素材 / 染毛科学
研究概要

本研究では、人体や環境への負荷が小さく、より安全な染毛法の創製を目指している。
今年度は、これまでに開発した染毛用染料であるカテキノンの生成機構を詳細に研究し、さらにその知見を基にして、より高い生成速度・収率で染料が得られるような反応条件を探った。その結果、カテキノンは酵素反応・電気酸化反応・化学酸化反応など、多様な反応によって得られることが明らかになった。そして、それぞれの反応において、高速度・高収率で染料を得るための最適条件を決定した。その条件として、反応溶液の基質濃度・酵素濃度・pH・温度が重要なことがわかった。また、反応系への酸素導入と金属イオンの添加が染料生成を促進することを明らかにし、導入速度や添加濃度の最適値を決定した。
以上より、それぞれの反応系におけるカテキノンの生成機構について知見が得られ、(+)-カテキンからカテキノンに至る過程を反応系を超えて統一的に理解することができた。また応用面として、染料をより効率的に生成させるための反応条件が明らかになり、染料を実際に生産する場合にどのような条件にすればよいかの方向性を示すことが可能となった。
一方、(+)-カテキンやその他の天然由来のフラボノイド物質と安全性の高い鉄化合物による錯形成を用いた染毛系の研究を行ない、毛髪を濃~黒色に染色可能な方法を確立した。そして、この系においても染料の形成機構を明らかにし、染色の最適条件を見い出した。
このように、本年度の研究で得られた染料と染毛系は、希求されている安全な染毛により近づいた系であると考えられる。本研究の成果は、さらに天然由来の染料形成機構の解明・染料新規染毛法の創製・新しい染毛科学の開拓につながるという意義をもつといえる。

  • 研究成果

    (13件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (11件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] バイオベースマテリアルを用いた染毛料の研究2011

    • 著者名/発表者名
      安永秀計
    • 雑誌名

      毛髪科学

      巻: 108 ページ: 46-49

  • [学会発表] Colouring by Using Biobased Materials2011

    • 著者名/発表者名
      YASUNAGA, Hidekazu
    • 学会等名
      Asia and Africa Science Platform Program on Neo-Fiber Technology Seminar Series 7
    • 発表場所
      京都、京都工芸繊維大学
    • 年月日
      2011-03-18
  • [学会発表] Effect of Cu^<2+> Ion Addition and pH on Production of Catechinone Dye2011

    • 著者名/発表者名
      YASUNAGA, Hidekazu
    • 学会等名
      Asia and Africa Science Platform Program on Neo-Fiber Technology Seminar Series 7
    • 発表場所
      京都、京都工芸繊維大学
    • 年月日
      2011-03-17
  • [学会発表] Dyeability and Colour Fastness of Hair Dyeing by Using Catechin and Iron Compounds2011

    • 著者名/発表者名
      YASUNAGA, Hidekazu
    • 学会等名
      Asia and Africa Science Platform Program on Neo-Fiber Technology Seminar Series 7
    • 発表場所
      京都、京都工芸繊維大学
    • 年月日
      2011-03-17
  • [学会発表] Ultraviolet Light Irradiation Dyeing by Using Catechin and Its Dyeability2011

    • 著者名/発表者名
      YASUNAGA, Hidekazu
    • 学会等名
      Asia and Africa Science Platform Program on Neo-Fiber Technology Seminar Series 7
    • 発表場所
      京都、京都工芸繊維大学
    • 年月日
      2011-03-17
  • [学会発表] バイオベースマテリアルを用いた紫外線照射染色2010

    • 著者名/発表者名
      安永秀計
    • 学会等名
      第46回UV/EB研究会
    • 発表場所
      大阪、住友クラブ(招待講演)
    • 年月日
      2010-12-03
  • [学会発表] カテキンと鉄化合物を用いた染毛法における色素形成と染色性2010

    • 著者名/発表者名
      安永秀計
    • 学会等名
      第49回染色化学討論会
    • 発表場所
      米沢、山形大学工学部
    • 年月日
      2010-09-28
  • [学会発表] カテキンを用いた紫外線照射染色法 1.染色性と堅ろう度2010

    • 著者名/発表者名
      安永秀計
    • 学会等名
      繊維学会秋季研究発表会
    • 発表場所
      米沢、山形大学工学部
    • 年月日
      2010-09-27
  • [学会発表] バイオベースマテリアルを用いた染毛料の研究2010

    • 著者名/発表者名
      安永秀計
    • 学会等名
      毛髪科学技術者協会研究発表会
    • 発表場所
      大阪、大阪ガーデンパレス(招待講演)
    • 年月日
      2010-09-08
  • [学会発表] 電気を用いた染毛用染料カテキノンの合成2010

    • 著者名/発表者名
      安永秀計
    • 学会等名
      第63回繊維機械学会年次大会研究発表会
    • 発表場所
      大阪、大阪科学技術センタービル
    • 年月日
      2010-05-21
  • [学会発表] カテキンと金属化合物を用いた染毛法2010

    • 著者名/発表者名
      安永秀計
    • 学会等名
      第63回繊維機械学会年次大会研究発表会
    • 発表場所
      大阪、大阪科学技術センタービル
    • 年月日
      2010-05-21
  • [学会発表] カテキンを用いた紫外線照射染色法2010

    • 著者名/発表者名
      安永秀計
    • 学会等名
      第63回繊維機械学会年次大会研究発表会
    • 発表場所
      大阪、大阪科学技術センタービル
    • 年月日
      2010-05-21
  • [図書] Nuclear Magnetic Resonance 392010

    • 著者名/発表者名
      KUROKI, Shigeki
    • 総ページ数
      70-150
    • 出版者
      Royal Society of Chemistry

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公開日: 2012-07-19  

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