研究課題/領域番号 |
21500746
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研究機関 | 神戸ファッション造形大学 |
研究代表者 |
田川 由美子 神戸ファッション造形大学, ファッション造形学部, 准教授 (40207808)
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研究分担者 |
後藤 景子 奈良女子大学, 生活環境学部, 教授 (30243356)
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キーワード | 超音波洗浄 / 二値化処理 / ポリエチレンテレフタレート / モデル汚れ / 生活用水 / 地方自治体 / 節水 / 洗浄性評価 |
研究概要 |
最終年度は、モデル洗浄系を用いた洗浄実験を引き続き行い、初年度より確立してきた画像処理を利用した洗浄性評価システムを用いて洗浄性と洗浄液組成、液性、液温および粒子径との関係について調べた。モデル基質には、ポリェチレンテレフタレート(PET)フィルムを用い、モデル汚れにはカーボンブラック(CB)粒子、オレイン酸、およびステアリン酸を使用した。また、PET布にモデル汚れを付着させて人工汚染布を作製して洗浄実験を行い、フィルム洗浄と比較検討した。さらに、節水洗濯の研究を進める上での社会的状況を知るため、兵庫県および神戸市が取り組んでいる行政施策や推進活動などについて調べ、国外の洗濯事情を調査した。超音波洗浄は従来の撹拌洗浄に較べてCB粒子およびステアリン酸汚れを極めて効果的に除去し、ステアリン酸汚れではアルカリや界面活性剤の存在下で高いレベルでの洗浄が可能となった。洗浄の温度依存性を調べたところ、CB粒子とステアリン酸は液温の上昇に伴い直線的に洗浄率が増大した。オレイン酸は、25℃を超えると急激に洗浄率が上昇し、35℃でほとんど除去されて温度依存性が大きいことがわかった。人工汚染布の超音波洗浄では、PETフィルムに較べて固体粒子汚れおよび油汚れの洗浄率が低いが、音圧を上げることにより洗浄率は高くなり、界面活性剤の添加効果が確認された。生活用水の利用実態調査では、近年の生活者の節水意識、節水機器の普及、および世帯の少人数化などにより、兵庫県および神戸市の水利用量は横ばい状態で、将来的には減少傾向にあることがわかった。これを受けて水道事業は、計画水量を下方修正し、浄水場の建設やダムの整備を取りやめ、太陽光発電設備の整備を計画して温室効果ガスの排出削減、浄水発生土の有効利用などを計画していた。また、節水型ライフスタイルの啓発と普及のための事業を実施しており、節水意識の向上と節水行動の習慣化により使用水量を減らすことができることが報告されていた。国外の洗濯事情を知るため、チューリッヒおよびウィーンで家庭用電気洗濯機や洗濯洗剤の市場調査を行った。
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