研究課題/領域番号 |
21500758
|
研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
磯部 由香 三重大学, 教育学部, 准教授 (80218544)
|
研究分担者 |
中田 理恵子 奈良女子大学, 生活環境部, 講師 (90198119)
平島 円 三重大学, 教育学部, 准教授 (80390003)
|
キーワード | γ-アミノ酪酸(GABA) / あこや貝 / ひおうぎ貝 / 乳酸菌 |
研究概要 |
本研究は、貝類の有効利用の手段として、γ-アミノ酪酸(GABA)含有発酵食品の製造条件を確立し、安全性と機能性についての検討を行うとともに、嗜好性成分の分析と嗜好性の調査を実施するものである。今年度は、材料配合割合の検討、官能検査、衛生試験を実施した。味の改善や健康面を考え、減糖・減塩かまぼこの調製の検討を行った。配合の違いによるpHに大きな差はなく、全ての条件でゲル形成が確認された。ゲル強度にも大きな差はなかった。官能検査では、「におい」・「生臭み」が改善されており、嗜好にも大きく影響することが分かった。以上の結果より、減糖・減塩の配合での製造も可能であると考えられる。あこや貝:ひおうぎがい貝柱=5:5の割合で調製した発酵かまぼこについて、官能検査を行った。識別検査で、特に強いとされたものは、「色」・「におい」・「塩味」であった。特に弱いとされたものは、「かたさ」であり、「もろい」などの意見が多くあった。嗜好検査で、特に評価が低かったものは、「生臭み」と「かたさ」であり、貝類特有の生臭みや、もろい食感が不快な印象を与えているようだった。あこや貝:ひおうぎ貝=5:5の割合で調製した試料について、生菌数測定を行った。試料は、未加熱のものと、加熱したものを用いた。未加熱かまぼこ、加熱かまぼこともに、食品衛生法で問題となる黄色ブドウ球菌、大腸菌は検出されなかった。未加熱かまぼこは、一般細菌1.1×10^9個/g、乳酸菌数1.5×10^9個/g、加熱発酵かまぼこは、一般細菌、乳酸菌ともに300個/g以下となった。以上の結果より、流通・販売における衛生面や、長期保存を考慮した場合、未加熱のものよりも、加熱殺菌したものが望ましいと考えられる。
|