研究課題/領域番号 |
21500758
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
磯部 由香 三重大学, 教育学部, 准教授 (80218544)
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研究分担者 |
中田 理恵子 奈良女子大学, 生活環境部, 講師 (90198119)
平島 円 三重大学, 教育学部, 准教授 (80390003)
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キーワード | γ-アミノ酪酸(GABA) / ヒオウギガイ / ホタテガイ / 乳酸菌 |
研究概要 |
本研究は、貝類の有効利用の手段として、γ-アミノ酪酸(GABA)含有発酵食品の製造条件を確立し、安全性と機能性についての検討を行うとともに、嗜好性成分の分析と嗜好性の調査を実施するものである。 今年度は、これまでの結果を受けての最適条件における試作を行い、衛生試験を検討した。また、血圧抑制作用の機能性を持つGABAのかまぼこ中での含有量について分析した。さらに、嗜好性に関連を及ぼす物性測定を行った。まず、ヨーグルトなどのスターターとして用いられるLactobacillas casei subsp casei JCMII34を用い、ヒオウギガイを食材と作成したかまぼこでは、生成した乳酸によって貝柱に付着していたブドウ球菌と大腸菌群の生育を抑制することはできなかった。そのため、前処理を行ってから発酵させることした。塩漬け、アルコール漬け処理は、発酵が進みゲル化し、大腸菌群は殺菌することが出来たが、ブドウ球菌を殺菌することは出来なかった。また、酢漬け処理はブドウ球菌と大腸菌群ともに殺菌出来たが、試料が酢酸によって変性してしまい、ゲルを形成できないため、利用できないことがわかった。また、実験室保有株である水産発酵食品から分離したLactobacillus buchneriを用いて作成したかまぼこでは、25℃4日間の発酵で硬さは最大となり、その後、発酵が進むについて軟化する傾向が見られた。このときの、GABA含有量は210mg/100gであり、市販のGABA含有食品と同程度のGABAを含む水産発酵食品の製造が可能であると考えられる。また、同株は一般に流通しているホタテガイを材料として用いても、GABAを蓄積させたかまぼこを作成できることが確認できた。
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