研究概要 |
日本の昭和時代前半期の食情報の実態と食生活の変容を明らかにすることを目的とし、1927年から1960年までの新聞に掲載された、調理・食品・栄養に関する記事を抽出し、内容を精査した。抽出した記事総数は11,344件(調理5,618件、食品4,092件、栄養1,634件)であった。調理記事は1941年以前と比べて1945年の数年間は激減し、その後増加の傾向を示した。食品記事は外来食品や新品種の紹介など多様化した。1941~1944年は配給食品の記事が激増した。栄養記事は主に栄養知識や栄養価値の啓蒙であったが次第に戦時栄養学の必要性へと変化した。昭和前半期の食生活は戦争の影響が大きいことを認めた。
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