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2010 年度 実績報告書

次世代の健康を担う女性の葉酸摂取量増大のための調理法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 21500768
研究機関同志社女子大学

研究代表者

村上 恵  同志社女子大学, 生活科学部, 准教授 (80340769)

キーワード葉酸 / 調理 / 葉酸卵 / ほうれん草 / アスパラガス
研究概要

ビタミンの一種である葉酸を妊娠前から積極的に摂取することで神経管閉鎖障害の発症率を低下させる。しかし、調理操作により葉酸は約50%損失することが報告されている。昨年度の研究よりほうれん草中の葉酸は損失しやすいが、葉酸卵中の葉酸は加熱に安定していることが示唆された。本年度はさらに加熱損失について葉酸卵、ほうれん草、アスパラガスを用いて検討を行った。その結果、葉酸卵の調理後の葉酸残存率はゆで卵>いり卵>かきたま汁の順に高かった。アスパラガスの残存率は表皮の有無による差は認められなかった。また、ほうれん草の残存率はアスパラガスよりも低かったことから、アスパラガス中の葉酸はほうれん草よりも損失しにくいことが明らかとなった。
さらに、葉酸卵の加熱安定性がどのような調理操作でも変化がないかどうかを調べるため、希釈卵を用いて加熱を行い、次にほうれん草と共に加熱を行うことにより葉酸の残存率にどのような影響を及ぼすのかを検討した。調理方法は茶碗蒸しを想定し、かつおだしで葉酸卵を希釈し、蒸し操作を行った。また、ほうれん草と葉酸卵は混合し、炒め調理を行った。その結果、葉酸卵の蒸し調理においては、異なる5種類の希釈倍率において葉酸量に有意差は見られず、希釈をしても卵に含まれる葉酸は影響を受けなかった。葉酸卵とほうれん草の炒め調理では、それぞれ分けて炒め調理をした場合よりも全体の葉酸残存率は約10%上昇した。
葉酸卵中の葉酸が比較的加熱に強いとされる要因の一つとして、葉酸誘導体の分布に特徴があることが考えられる。そこで、HPLCを用い、葉酸卵中の葉酸誘導体の分布分析を試みた。HPLCによる葉酸誘導体の分布分析法を確立するため、葉酸誘導体標準物質の溶媒の検討およびピーク測定を行い、葉酸卵および比較試料としてほうれん草中の葉酸誘導体の分析を現在試みている。

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公開日: 2012-07-19  

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