ストレス抑制あるいは緩和効果が期待されているγ-アミノ酪酸(GABA)水溶液(190ml)によるストレス抑制作用(ストレス負荷前に摂取し、ストレスの程度を観察)あるいはストレス緩和作用(ストレス負荷後に摂取し、ストレスの程度を観察)を検証するために、女子学生14名を対象として、新ストループテストII(トーヨーフィジカル社製)、内田クレペリン検査(日本・精神技術研究所製)による精神的ストレスを与える前後に試料を摂取する2つのプロトコールを用いて試験を行った。なお、対照として水を用いた。 その結果、ストレス負荷後にGABAを摂取した試験区では、体表面温度(体幹部)および主観的なストレス緩和指標であるVAS(気分)で低下がみられたが、客観的なバイオマーカーである唾液中のクロモグラニンA(CgA)濃度およびアミラーゼ活性には大きな差は認められなかった。これに対して、ストレス負荷前にGABAを摂取した試験区では、体幹部の体温低下、主観的なストレス緩和指標であるVAS(疲れ、リラックス)および唾液中のアミラーゼ活性の有意な低下、ならびに唾液中のCgA濃度の低下傾向が観察され、精神的なストレスが抑制されていることを認めた。これらの効果は、食品摂取のタイミングで精神的ストレスの度合いが変わることを示していた。 今後は、さらにGABAを高濃度含有する飲料、あるいはコーヒーなどの嗜好性飲料を用いて同様な試験を実施する。
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