研究概要 |
若年成人では遅い就寝時間や朝食欠食などの生活リズムの乱れとともに,男性では肥満,女性ではやせや正常体重肥満などの健康問題を有しておりその対策が必要となっている.本研究の目的は,(1)20歳前後の男女を対象に生活リズムに着目した実証的研究を実施する,および(2)研究成果を基に生活リズム正常化を支援する「ヤングの感性に響く食教育コンテンツ」を作成し効果を検証する,の2点である. H22年度は,以下の研究を行い成果を学会発表や論文として公表するとともに,最終年度のヤング世代への食教育に向けた情報配信のためのシステム構築とコンテンツの作成にも着手した. (1) 胃電図については,摂取する飲食物の温度と量が胃運動に与える影響をヒト試験により精査し,論文として公表した(脇坂,森谷,永井ら.栄食誌64(1):19-25,2011). (2) 朝の胃運動を促進する可能性のある数種類の飲食物について実験ボランティアの協力を得て試験を行い,成果公表の準備を行った(国外での学会発表演題登録および国際誌への論文投稿). (3) 大学入学直後の女子学生の午前中の体調と朝型-夜型リズム,自律神経活動に着目した横断的研究を行い成果公表の準備を行った(学会発表演題登録および論文投稿). (4) 20歳前後の女性の半数以上に冷えの症状がみられることから,栄養状態,朝の体温,自律神経活動に着目した横断的研究を行い,成果公表の準備を行った(学会発表演題登録および論文投稿). (5) 時計遺伝子のひとつであるclock遺伝子の多型(-3111T/C)が朝の胃運動に及ぼす影響を検討し,成果公表の準備を行った(学会発表演題登録および国際誌への論文投稿) (6) 食欲ホルモン(グレリン)と胃運動の関連を検討するためにパイロット試験を実施した. (7) H23(最終年度)に実施するヤング世代への食教育実施の準備(携帯情報端末への情報配信システム構築,コンテンツデザイン作成,朝食レシピ作成と料理写真撮影)を行った.
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