研究課題
女子栄養大学栄養クリニックのヘルシーダイエットコースに参加したメタボリックシンドローム101例(男性4例、女性97例、年齢56.0±11.2歳)を対象にして、6ヶ月間の食事および運動療法による介入を行った。高血圧に関連するアンギオテンシノーゲン遺伝子、肥満に関連するアドレナリンβ3受容体遺伝子および脱共役たんぱく質遺伝子の多型を測定し、多型の異常の有無により介入効果が異なるかを検討した。アンギオテンシノーゲン遺伝子多型の異常の有無(TT型:TM+MM型)により食事・運動療法による介入による収縮期血圧および拡張期血圧の変化に有意差を認めなかった。アドレナリンβ3受容体遺伝子多型の異常の有無(WR+RR型:WW型)により食事・運動療法による介入による体重、BMI、体脂肪率、腹囲の変化に有意差を認めなかった。脱共役たんぱく質遺伝子多型の異常の有無(AG+GG型:AA型)により食事・運動療法による介入による体重、BMI、体脂肪率、腹囲の変化に有意さを認めなかった。しかし、アドレナリンβ3受容体遺伝子多型および脱共役たんぱく質遺伝子多型の両者ともに異常な例と両者共に正常な例を比較すると、体脂肪率の変化に有意差を認めた。アンギオテンシノーゲン遺伝子多型の異常例には食塩の制限を厳格にし、アドレナリンβ3受容体遺伝子多型の異常例および脱共役たんぱく質遺伝子多型の異常例には摂取エネルギー制限を厳格にした。以上の結果から高血圧、肥満に関連する遺伝子多型に異常があっても食事・運動療法を厳格にすれば、血圧、体重、体脂肪率の改善が得られることが明らかになった。すなわち、食事・運動療法は遺伝的な体質よりも影響が大きいことが明らかになった。
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