6週齢のBALB/cメスマウスに、卵白アルブミン(OVA)10mgのみ、またはOVA10mgと共にみょうばん(硫酸アルミニウムカリウム)10mgを5回経口投与し、その後、OVAと水酸化アルミニウムアジュバントの腹腔投与による全身性免疫を2回行った。これらのマウスから末梢血を採取し、血清中の抗OVA IgG1、IgG2a、IgG2b、IgE抗体価を測定すると共に、脾臓と腸間膜リンパ節を摘出し、採取したT細胞におけるOVA特異的増殖反応を検討することにより、タンパク抗原に対するアレルギー反応の誘導について観察した。 そうしたところ、OVAと共にみょうばんを経口投与したマウスの血清中抗OVA IgG1とIgE抗体価は、OVAのみを経口投与したマウスの値に比べ、有意に高い値であった。また、OVAと共にみょうばんを経口投与したマウスの脾臓と腸間膜リンパ節のT細胞のOVA特異的増殖反応は、OVAのみを経口投与したマウスの値に比べ、著しく高い値を示した。この時特に、腸間膜リンパ節由来のT細胞の増殖反応の値は、脾臓由来T細胞の値よりも目立って高い値であった。 以上のことより、タンパク抗原と共にみょうばん(硫酸アルミニウムカリウム)をマウスに経口投与した場合、その後の全身性免疫刺激によって、タンパク抗原に対する過剰な免疫反応(アレルギー)が誘導されることが明らかになった。みょうばんのような、アルミニウムを含有する食品添加物は、食物アレルギーの誘導や進行に関与する可能性が示唆された。
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