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2010 年度 実績報告書

外分泌液中のIgA免疫複合体の機能と応用

研究課題

研究課題/領域番号 21500802
研究機関京都女子大学

研究代表者

成田 宏史  京都女子大学, 家政学部, 教授 (30155999)

キーワード食物アレルギー / IgA免疫複合体 / 経口免疫寛容
研究概要

離乳食を始めていない乳児血清にすでに卵白たんぱく質に対するIgEが高く、アトピー性皮膚炎を発症する場合があることから、経母乳感作の可能性が示唆されている。これに対して我々は、母乳中に食品タンパク質が分泌型IgAとの免疫複合体(IC)として存在する事、マウスにおいて母乳哺育により経口免疫寛容が誘導される事を証明してきた。本研究では、母乳哺育が抗原特異的なアレルギー症状を抑制する事の証明並にそのメカニズムの解明を目指した。
食餌中のタンパク質が卵白由来のみのE群、牛乳由来のみのM群に分けてBalb/cマウスを飼育した。各群の母乳中にE群では卵白タンパク質が、M群ではミルクタンパク質がIgAとのICとして含まれていることを確認した。各群から生まれてその母乳のみで育った3週齢の仔マウスにAlumを助剤としてオボアルブミン(OVA)で感作後、OVAを経口投与もしくは尾静脈投与することにより下痢もしくはアナフィラキシーショックを誘発させると、E群において両症状の抑制が観察された。この時、血清中の抗OVA-IgG1、-IgEはどちらもE群で低く、脾臓細胞培養上清中のOVA依存的IL-4産生はE群で有意に低く、TGFβ産生はE群で高い傾向にあった。IL-4はIgE産生を誘導するサイトカイン、TGFβはIgE産生を抑制するサイトカインとして知られているので、血清の抗体価の結果と良く一致していた。また、このような効果はM群の母親に出産後卵餌を食べさせた場合にも起こったことから、経胎盤ではなく経母乳的に子供に伝えられていることが判明した。
これらの結果より、母乳は食物アレルギー予防の天然の飲むワクチンとして機能していることが明らかとなった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] ヒト外分泌液中の食品タンパク特異的IgAおよびその免疫複合体2010

    • 著者名/発表者名
      木津久美子, ら
    • 雑誌名

      京都女子大学食物学会誌

      巻: 65 ページ: 5-12

    • 査読あり
  • [学会発表] 母親の摂取タンパク質が母乳を介して仔の食物アレルギーを予防する2010

    • 著者名/発表者名
      成田宏史、木津久美子、廣瀬潤子
    • 学会等名
      日本アレルギー学会
    • 発表場所
      東京国際フォーラム
    • 年月日
      2010-11-27
  • [学会発表] 母乳哺育によるOVA誘発アレルギー性下痢の予防2010

    • 著者名/発表者名
      木津久美子、廣瀬潤子、成田宏史
    • 学会等名
      日本栄養・食糧学会
    • 発表場所
      アクティ徳島
    • 年月日
      2010-05-23

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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