我々はpneumatic control injury deviceを用いてラット脳に外傷を与えたラット脳外傷モデルを用いて、その障害部位である大脳皮質における神経幹細胞の出現と神経再生を報告した。本研究では脳外傷部局所における神経再生と緑茶飲料との関係を組織学的、生化学的、生理学的および運動学的手法を用いて解明することを目的とした。 1. 実験方法 Pneumatic control injury deviceを用いて緑茶飲料を行ったWistarラット(10週齢♂)に脳外傷を与え、脳外傷ラットを作製した。緑茶飲料無しで受傷のみを行ったラットをコントロール群とした。脳外傷後にラットを経時的に屠殺し抗酸化作用と神経細胞死を調べた。 2. 結果と考察 飲料群の抗酸化作用は非飲料群に比較し有意な増加が認められた。さらに酸化ストレスによる神経細胞のアポトーシスが飲料群で有意に減少した。これらのことからから緑茶飲料が抗酸化作用を示し脳外傷後に誘導される酸化ストレスを軽減し神経細胞のアポトーシスを減少させることが示唆された。さらに今後、同上の受傷モデルラットを用いて神経幹細胞の出現や神経再生を経時的に形態的手法を用いて検討する。
|