[目的]ヒトにおいて大豆摂取した時に大豆に含まれるダイゼインをその代謝産物エクオールに変換する腸内細菌を有する人(エクオールプロデューサー)と有さない人(エクオールノンプロデューサー)がいることがわかってきた。しかしこれを決定する因子については全く解明されていない。喫煙のエクオールプロデューサーにあたえる影響の解明が本研究の目的であるがまずエクオール介入による肥満、メタボリック症候群に与える効果について検討した。 [方法]当院通院中の肥満患者を対象としてramdamizationを行い、エクオール介入群とプラセボ介入群にランダムに割り振って8週間の介入を行った。さらに8週間の介入後介入をクロスオーバーして更に8週間の介入を行い各時点における肥満、メタボリック症候群関連の臨床パラメーターを評価した。 [結果]8週間のエクオール介入はプラセボに比してLDLコレステロールおよびCAVIを有意に低下させた。 エクオールプロヂューサーの頻度は非喫煙者で43.3%、喫煙者で20%であった。 [結論]エクオールの摂取は肥満患者における脂質代謝異常、動脈硬化に対して有利に働く。喫煙がエクオール産生菌を含む腸内細菌叢に影響を与える可能性を示唆した。
|