平成22年度の研究実績として、1)インターネット天文台の改良、2)星空カメラの開発と教育実践を実施した。 最初の秋田大学インターネット天文台の改良に関しては、国内外のインターネット望遠鏡システム網に加えるために、ハードウェア及びソフトウェアの改良をおこなったことが主要な研究実績である。ハードウェアの面での大きな改良は、新サブスコープの導入及び天体観測室ルーフを外部から遠隔で開閉可能なものにしたことである。またソフトウェアの面では、インターネット望遠鏡網に共通の遠隔操作ソフトに変更したことが、主要な研究業績である。これらのバージョンアップを実施することで、次年度からの世界的インターネット望遠鏡網の中での本格運用に備えた。 次にインターネット天文台において、インターネット望遠鏡の補助設備になる星空カメラの開発について述べる。昼夜共通の高感度カメラを導入することにより、インターネット望遠鏡のような夜間の星空観望だけでなく気象カメラとしての性質を兼ね備える仕様としたことが特徴である。星空カメラは2台制作したのだが、1台は透明の半球内に設置する固定式とし、秋田大学教育文化学部4号館屋上において仮運行して耐久性等を確かめた。もう1台は移動式とし、秋田県白神地域においてもっぱら使用した。そしてこれらを用いて、秋田市内と白神地域の光害汚染度合いを実感できるビデオ教材を作成した。またこのビデオ教材を用いて、県内小・中学生に対する光害教育に関する教育実践をおこなった。最後にこの結果をまとめて論文として投稿し、研究成果とすることが出来た。
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