研究概要 |
数学だけでなくテレビ会議システム等のICT利用能力や英語によるプレゼンテーションとコミュニケーション能力を持ったエリート算数・数学教員を養成するために,ドイツのカールスルーエ教育大学と玉川大学・京都教育大学の両学生・院生によるTV会議を使った遠隔協同学習を行った。日時計を教材化し中学3年生を対象に教育実験をした内容と成果,および高校2年生を対象とした指導プラン等を交流した。また,守屋は訪独して,日時計の教材化をドイツ学生に指導もした。 TV会議を使った交信授業は平成22年12月~平成23年1月にかけて3回実施された。その結果,遠隔協同ゼミを初めて経験した玉川とドイツの学生,さらにこの交信を現地で視聴したタイの教員は,大変好意的にこの機会を捉え,双方の教育システムと標準カリキュラムを理解した。また,日時計の持っている原理の共通性と形態の相違性が,国際交流の中で際立ち,共通課題による数学の理解と,各国独自の発展課題への取り組みが図られた。なお,数学教育学の知識が豊富である,京都の院生の教材研究・作成力が,学部学生を上回った。ドイツでは,カリキュラム等の比較調査を積極的に試み,日独カリキュラムの比較研究にまとめた。 両国学生の意欲,学力,研究力に関して向上が認められ,国際協同ゼミの日常化もはかれることが示された。さらに,TV会議を使った写真やビデオによるドイツからの紹介は,英語が苦手な日本学生の理解を助けたり,プレゼンテーション技術の習得に役立ったりもした。 なお,研究の成果は,数学教育学会で報告し,さらに,京都教育大学教育実践研究紀要や玉川大学教育学部紀要『論叢』に掲載した。
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