研究課題
本研究では、学習者が、Web上の多様な学習資料をもとに、知識分野の隔壁のない理科学習を自主的に展開できるようにするため、セマンティックWeb技術のひとつであるTopic Maps技術を基盤とした学習ポータルを構築している。Topic Maps駆動の学習システムを構築することにより、「従来のコンピュータ中心から主題中心志向への転換」、「従来の処理(学習者誘導)中心から学習内容中心志向への転換」を試みた。学習システムの骨格として、物理・化学・生物・地学・天文を軸とし、日常生活・科学史・環境・産業・人工物・持続性にわたる知識オントロジーを分野ごとに構成した。そして、各領域の知識インスタンスを、領域内および領域間で結合する、種々の関連型を定義して適用した。特に、複数の分野の文脈において主要な役割を果たす知識インスタンスが存在する。このような知識インスタンスは複数の文脈次元の統合として捉えられるものであり、そのような知識を内包するオントロジーは多次元的構成として捉えるべきものと結論された。上述の知識オントロジー層に加え、学習資料オントロジー層および学習記録オントロジー層を構築した。学習資料オントロジーでは、種々のタイプのweb上の学習資料インスタンスを、その表現種別によって分類し、知識オントロジー層の知識インスタンスに結合した。学習記録オントロジーは、本年度の段階ではドリル学習データを系統づけることに限定し、利用者の学習記録インスタンスを知識インスタンスに結合する構成を取った。多層多次元的Topic Mapsの開発およびWeb公開には、専用の開発およびランタイム環境であるOntopiaを活用した。学習記録データベースとOntopiaエンジンを連携したトピックマップ学習ポータルを"Everyday Physics on Web"という名称で公開運用を開始した。
すべて 2010 2009 その他
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (14件) 備考 (1件)
Leipziger Beitrage zur Informatik : BandXIX, Linked Topic Maps. 19
ページ: 83-89
http://tm.u-gakugei.ac.jp:8080/epw/