平成22年度はこのシステムで中心的に使用する計測ソフトについて研究と開発を行った。 本来「経験知」を得る日常の運動を動画として記録し、この画像を用いて定量的な解析を行い「科学知」へ橋渡しをすることが本研究の最も重要な点である。このためのソフトウェアとして市販のVIDEOPOINTを用いる。このソフトウェアではリアルタイムに運動解析が出来ないため、新たにカメラを用いた画像取り込みと運動解析を行えるソフトウェアの開発も必要となる。本年度は(1)VIDEDPOINT使用時の問題点抽出、(2)リアルタイム運動解析ソフト開発および(3)呈示用の初等力学で扱う運動の動画作成と(4)アニメーション作成環境の吟味と設計を行った。 開発したリアルタイム運動解析ソフトは現時点では取り込み画像量が不十分であるが運動のリアルタイム解析も可能なため物理教育用に充分使用は可能と思われる。VIDEOPOINTと合わせて学習者に用いてもらう上でどのように両ソフトを接続するかに付いても試行し調整を行った。 また動画作成に伴い様々な個別実験の動画も素材として撮影を行った。アニメーション作成のため複数の市販ソフトのチェックも行った。ここで当初の予定には無かった電子書籍(iPad)を学習者が実験及び解析過程の説明用に加えることを決めた。これは本研究の学習環境が必ずしも教室内に想定していないことによる。説明用動画並びに実験結果の記録も電子書籍ならば可能となるため本研究には適しているとの判断で導入したが、そのためのテキスト作りにも取りかかった。以上は平成23年度インターネット上に公開する。
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