研究概要 |
研究成果は、平成23年度の日本化学会、日本理科教育学会、日本科学教育学会等で研究発表することができた(詳細は下記発表一覧に記載)。具体的にはソラマメの内呼吸、生姜の内呼吸を計測して酸素濃度の減少と二酸化炭素の増加による呼吸商を見積もることができた。開発したキットの実践的な成果としては、北海道立教育研究所附属理科教育センター、静岡県総合教育センター、群馬県総合教育センター、富山県総合教育センターで小学校教員対象の理科実験の研修教材として活用された。また、駒場東邦中学高等学校、東京学芸大学附属中学校、千歳市立千歳小学校、秦野市立南が丘小学校で生徒達に実践教材として授業に使ったところ好評を得ることができた。実践して頂いた報告書から、『小学校指導要領解説理科編によると,6年の理科では,燃焼・呼吸・光合成などの学習で,「酸素や二酸化炭素の割合が変化していることをとらえるようにするためには,気体検知管による測定が考えられる。」とされている。気体検知管を使って測定する方法は,コストなどの問題により,実験前と実験後の2回だけ行って,比較することがほとんどである。2回だけの測定では,「どのようなスピードで変化が起きているのか」,「現在はどの程度まで反応が進んでいるのか」という変化の様子を知ることができず,児童の実感を伴った理解につながらないと考えた。酸素・二酸化炭素センサを用いて,増減をリアルタイムに測定する教材を開発し,授業で使用してみることにした。昆虫の呼吸では、「昆虫も呼吸をしている」ことを知らない児童が以外と多かったが、昆虫も呼吸をしていることを実感させることができた。植物の呼吸では、「野菜や果物は、収穫された時点で死んでいるから呼吸をしていないのではないか」と考える児童が多かったが、身近な野菜が収穫後も呼吸を続けていることを確かめる実験を行うことで、実感させることができた。』などの事例が多く報告された。理科教育用O_2/CO_2計測キットは、初等中等理科教育へ貢献できる実践教材としての意義と重要性を検証することができた。さらに改良を進めてより良い教材開発をすることで、生徒達のさらなる探究心を育成したいと考えている。
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