研究概要 |
ものづくりの原点でもある鈴鹿の伝統産業としての伊勢型紙の基本「彫る」「切る」技術をコンピュータによるパターンのデザイン、レーザーを彫道具とする「穿孔・カッティング」といった最新の工学的手法で再現しすることを軸に置き、工学による伝統技術の継承を動機付けに,学生の自主的な先進的・実践的加工技術,レーザーに関する基礎・応用知識,画像処理等のコンピュータ技術等を習得させるための教育効果の高い工学教育プログラムを構築することを目的としている。 21年度において本研究を実施するための環境の整備、体制の整備を行った。具体的にはレーザー加工機の導入と伊勢型紙加工への応用について予備的な実施検討を行った。その結果として、伊勢型紙を作成する最適レーザー加工条件の情報を収集することができた。また、地元商工会議所を通じて伊勢型紙共同組合の連携協力体制を整えることができた。その連携を基に、有志として参加希望学生を対象に,伊勢型紙協同組合の理事長による伊勢型紙の歴史的背景、技術、関連業界が抱える問題等を中心とした講義を試行的に行った。また、レーザーの原理,数値制御(NC),コンピューターグラフィックス,画像処理の基礎知識の講義、さらにはレーザーによる伊勢型紙の基本技法の再現等を行いカリキュラム構成の基本的部分の試行を行った。その中から教育プログラムとしての問題点や改善点について検討を行ない、22年度以降の教育プログラム(創造工学)としての実施準備体制の検討を行った。
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