研究概要 |
ものづくりの原点でもある鈴鹿の伝統産業としての伊勢型紙の基本技術を,コンピューターによるデザインとレーザーによる「カッティング」といった最新の工学的手法で再現しすることで、学生の自主的な先進的・実践的加工技術,レーザーに関する基礎・応用知識,画像処理等のコンピューター技術等を習得させるための教育効果の高い工学教育プログラムを構築することを目的としている。 22年度においては21年度に整備した教育実施環境(レーザー加工機導入を含む)を活用し,鈴鹿高専のエンジニアリングデザイン科目である4年次必修科目の「創造工学」で教育プログラムの実践を行った。具体的には伊勢型紙の伝統的デザインを応用した工業製品の企画と試作をテーマに15回(1回190分)のプログラムを実施した。試作品に付与する伝統的デザインにはレーザー加工機を使用した。また、実施にあたっては地元の伊勢型紙共同組合および業界内で唯一,伊勢型紙の先進的応用展開を模索する型紙卸業者の連携協力体制を活用し,伊勢型紙の歴史的背景、技術、関連業界が抱える問題,今後の伝統継承や展開を中心とした講義を導入することができた。また,学生の考案した製品のアイデア段階で意見交換会を実施し,貴重なアドバイスを製品試作に反映しながら試作を進める体制を確立することができた。さらに、学内ではレーザーの原理,数値制御(NC),コンピューターによる画像処理の基礎知識の講義を行い,教育プログラム構成の基本的部分の試行を行った。一連の教育の試行からプログラムの問題点や改善すべき点について検討を行ない、最終年度となる23年度の教育プログラム(創造工学)に反映させる基礎情報を収集することができた。
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