今年度は研究の最終年度であるため、2種類の衛星地上局ソフトウェア"KissTerm"と"KissServer"を完成させ、プロジェクトサポーターに配布して実践的な動作検証と性能評価を行った。その結果、KissTermとKissServerのどちらもKISSモードTNCに対応させたため、バイナリフォーマットの衛星データを設計どおりに自動かつ確実に取得できることが確かめられた。KissTermとKissServerを一つのソフトウェアに統合することも今年度の検討課題であったが、ユーザーの使用環境や使用目的に応じた使い分けができるメリットを重視して、統合せずにそれぞれの配布用パッケージを完成させ、パッケージのダウンロード用Webページを作成・公開した。 本研究で開発したソフトウェアは超小型人工衛星プロジェクトに参画する衛星開発チームとプロジェクトサポーターの受信協力体制の確立・発展に活用できるが、プロジェクトの社会的(ソーシャル)な拡大や浸透までは想定していない。そこで、Twitterを利用してこれを実現するサーバシステムのプロトタイプを考案・試作した。試作システムとKissTermのデコーダを組み合わせることで、受信した衛星データのTwitterへの自動投稿と、Twitterクライアントソフトウェアによる衛星データの解読が可能になった。提案システムの実用性と信頼性を向上させることが今後の課題である。
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