本研究は3年計画で実施するものであり、1年目である平成21年度は「赤外線サーモグラフィー」を購入して、「回転テーブルを用いたジェット気流のモデル実験」に向けた予備実験を行う予定であった。本研究で考えた実験の手法は、回転テーブルの上部に赤外線サーモグラフィーを固定し、サーモグラフィーごと回転させた状態で回転テーブル上の水槽内の温度分布の動画を高分解能で撮影するというものである。通常のサーモグラフィーの使い方とは大きく異なり、外部から動画のオンオフを制御でき、この動画を外部で確認しながら内蔵メモリーに高速で記録する必要がある。3つのメーカーの機種に絞ってデモンストレーションを繰り返したが、パソコンも一緒に回転させなければならない機種や、動画を外部から確認できない機種など、上述の条件を100%満たす機種はなかった。このような理由から、購入機種の選定にたいへん長い時間を要することになり、結局、2社による競争入札が執行されたのが平成22年2月19日という年度末になった。このことは、本来の研究計画が大きく遅れることを意味しており、実際、予定していた実験研究はほとんど進まなかった。 平成21年度に赤外線サーモグラフィーと高速度カメラが納入されたので、2年目である平成22年度は、赤外線サーモグラフィーの液晶画面付きリモートコントロール装置を購入し、回転テーブルを用いた実験研究を計画的に遂行していく予定である。
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