研究課題
本研究は、日本と韓国のNGO関係者や研究者が、日本と韓国の各地の干潟に集い、底生生物・水鳥・干潟文化に関する調査活動を展開すると同時に、調査に参加する地元住民に対して調査方法の詳細を現地でレクチャーすることで、次世代の市民科学者の育成に努めることを目的とする。本年度は、2009年6月24日~27日に、韓国セマングム地域(全羅北道群山市・金堤市・扶安郡)で、干潟・浅海域の現地調査および環境教育活動を行った。この地域では、セマングム市民生態調査団が2003年から継続して月1回の干潟調査を実施しているため、韓国のNGO関係者・研究者・市民と共に調査活動を行った。また、有明海諫早湾においても、2009年6月14日~17日に、潮受け堤防内側・外側海域における採泥・採水調査を実施した。諫早湾周辺では、すでに市民研究グループとの共同調査を展開しており、市民による独自の成果も得られつつある。本研究では、韓国セマングム地域において、諫早湾と同じ手法の調査を行うことにより、両海域の干拓堤防建設に伴う生態系の変化を比較し、その普遍性を議論することが可能となった。また、東北大学総合学術博物館の外国人客員教授として、研究協力者の韓国インハ大学の洪在上教授を、2009年7月から2010年2月までの8カ月間お招きして、陸奥湾から西表島まで日本各地の干潟をまわり、底生生物に関する調査研究をすると共に、今後の共同研究に関する詳細な打ち合わせを行った。
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Bulletin of the Tohoku University Museum 9
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